小児科|千葉県いすみ市|外房こどもクリニック




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トピックス

公開勉強会報告

2013/08/27

8/7(水)13:00~14:00、外房こどもクリニック待合ロビーにて、市河茂樹医師(亀田総合病院小児科)を講師に招いて、公開勉強会を開催しました。今回のテーマは「発達に支援が必要なお子さんと医療の関わり」とし、市内の関係職種の方々に広くご参加を呼びかけました。
当日は70余名のご参加をいただき、このテーマへのご関心の高さに改めて驚かされました。

 勉強会内容の概略は以下でした。

 まず、市河先生の豊富なご経験の中から、早期に医療に関わって治療を行っていたらその人の能力をもっと生かせる職業選択があり得たのでは?という事例が紹介されました。そして、発達障害とは「あんこの塩のようなもの」(あんこに塩を入れる場合、適度ならあんこが美味しくなり、多すぎるとしょっぱくなってしまう)という説明が行われました。

 その後、発達障害のさまざまな様態についての整理と解説、さらに、この日はADHDに限定して、その障害の起こるメカニズム(脳内伝達物質が関与する、脳機能の特徴)や患者さんの抱える困難、社会生活上の問題などを挙げて説明が行われました。

 そして、それについて医療機関では治療的介入を行うこと、治療には、症状の改善だけでなく、二次的障害を防ぐという大きな意味があることなどが解説されました。
特に、薬物治療につき「風船モデル」を用いての解説があり、早期治療の大切さがよくわかりました。具体的には、広範性発達障害(言葉の発達や集団行動での問題)などで3~4歳で医療機関を受診してもらえれば「じっくり診てから就学相談」ということが可能になる、軽度知的障害とADHDは就学前後(5~7歳)までに初診、二次障害の出る前に治療的介入ができると良い等、はっきりとした指標が示されたのは非常に有益だったと思います。

 最後に、外房こどもクリニックの取り組みとして、2012年6月より開始している心理相談室の発達相談実績、いすみ地域での連携への参加なども紹介していただきました。

 当日の参加者アンケートでは「早期発見、早期治療の重要性がよくわかった」「薬物治療の説明をわかりやすくしてもらえて良かった」「医療につなげる大切さがよくわかったが、実際の教育現場では、そこが難しい」など、たくさんのご意見ご感想をいただきました。
今後も、地域の皆様とご一緒に考え合っていきたいと思います。

 お暑い中をお出かけくださった皆様に感謝申し上げます。

末筆になりましたが、ご公務ご多用中を駆けつけてご挨拶くださった、太田洋いすみ市長、松本良二いすみ健康福祉センター長に御礼申し上げます。そして市河茂樹先生、ありがとうございました。

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