嘔吐や下痢の原因は様々なものがありますが、ウイルスの感染が主な原因です。
嘔吐や下痢は、悪さをする病原体を早く体の外に出そうとする体の大切な防御反応ひとつです。特に下痢は、薬で止めることができません。
ウイルスの場合は、事前に治る傾向があり、嘔吐は半日~1日、下痢は約1週間で快方に向かっていきます。しかし、嘔吐や下痢のため、体内の水分や塩分が大量にうしなわれると、脱水症状といって、お子さまの状態が悪くなることがあります。水分と電解質の補給を適切に行われないと、脱水症状はさらに悪化していきます。とくにお子さまが乳幼児の場合は、重症化しやすいので、注意が必要です。
下痢・嘔吐がそんなに重症でない場合は、自宅で安静にして十分な水分補給と栄養摂取を心がければ大丈夫です。
◯水分や食事の摂取量、下痢や吐いた回数、尿の回数などをくわしくメモしておきましょう。
◯赤ちゃんの場合、いつもと便が違うなと思ったら、ウンチをしたオムツをもってきてください。
普通は、嘔吐する時間は数時間から約一日程度で、必ず止まってきます。
嘔吐止めを使用し嘔吐が止まるのを待ちます。吐いたら2・3時間は、水分を与えません。絶食が最も良いのです。(この時期は与えても吐くだけですから。)
吐き気が止まり、飲めそうになったらスプーンで少量ずつ、アクアライト、ポカリスエット、味噌汁のうわずみ、リンゴの絞り汁などを与えます。これで嘔吐がなければちょっとずつ増やしながら、植木鉢に水をやるみたいにあげてみると結構うまくいきます。
下痢の時でも食事を制限する必要はありません。蛋白質を中心の食事を少量、頻回にしましょう。水分は電解質の多い経口補液を十分に飲むようにしましょう。
母乳は、そのまま続けていてかまいません。(ミルクも同様です。)
吐いたばかりのときは、1回の量を少なめにします。
嘔吐・下痢がひどく、元気のないときだけ中止します。
おしりはきれいにあらってあげましょう。ベビーオイルなどをしっかり塗って、カブレないように注意しましょう。(おしりを洗っただけにするとカブレがひどくなります。)
手洗いと吐物、便の始末をしっかりして、家庭内感染に注意しましょう。
感染予防には、手洗いが基本です。
基本的に下痢をしている場合は休みますが、おむつの始末がきちんと出来る場合は通園できます。この場合、おむつの処理をする人がよく手洗いをすることが大切です。トイレできちんと処理出来る子は通園、通学はかまいません。
| お勧めできる食品 | 避けた方がよい食品 | |
|---|---|---|
| 穀類・イモ類 | うどん・餅・食パン・じゃが芋・里芋・豆腐・きな粉 | すし・中華めん・玄米・ロールパン・さつま芋・こんにゃく・油揚げ |
| 野菜 | 軟らかく煮た野菜 かぼちゃ・にんじん・かぶ・キャベツ・大根・ほうれん草 |
繊維の多い野菜 たけのこ・ごぼう・きのこ類 |
| 肉・魚類 | 脂肪の少ない魚・肉 たい・カレイ・ひらめ・はんぺん・鳥のささみ |
脂肪の多い魚・肉 いわし・さば・干し物・貝類・ハム・ベーコン・ソーセージ |
| 果物 | りんご・バナナ・白桃 | みかん・梨・イチゴ・すいか |
| 嗜好品 | プリン・ボーロ・ゼリー・ウエハース | ケーキ類・ナッツ・せんべい・炭酸飲料・オレンジ果汁・ココア・コーヒー・アイスクリーム |
| その他 | 海草類・漬物 |